ちょっとした心がけで、毎日を元気に
今年は食事で“夏バテ”対策
主食・主菜・副菜を組み合わせ、1日3食きっちりと
“だるくて食欲がない”など、暑い季節になると、体の動きが低下してしまう状態が「夏バテ」。だからといって食事をおろそかにすると、さらに体がだるくなり、体力が落ちていくとも。そこで、夏に摂取したい食べ物と簡単レシピを紹介します。
ビタミン、ミネラル、たんぱく質の摂取を
夏場は、疲れやすくなったり、気力がなくなったりして自立神経が乱れ、夏バテを起こしてしまいます。食事面でも、食欲がなくなり、冷たくて、喉通りよく、あっさりとした食べ物を選びがち。体に必要な栄養が偏る傾向があります。
和歌山県栄養士会の南條伊津子さんは「食欲がなくても、主食・主菜・副菜を組み合わせ、1日3食きちんと食べるように心掛けてくださいね」と強調。「そのとき、栄養のバランスを意識し、少しずつでもさまざまな種類の食品を取り入れましょう。夏バテの予防には、ビタミン、ミネラル、良質のタンパク質を積極的に取ることが大切です」と話します。
特に、ビタミンB1は、炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変え、疲労を回復させてくれる働きがあります。南條さんは、「豚肉、うなぎ、大豆、ごまなどはビタミンB1が豊富。タマネギ、ネギ、ニンニクなど、アリシンを含む食材と一緒に食べると、ビタミンB1の吸収が良くなります」とアドバイスします。
食欲がないときは調理方法もひと工夫
汗をたくさんかいた後は、水分を補うことも忘れてはなりません。南條さんは「汗には、ナトリウムやカリウムなどのミネラルも含まれています。水やお茶はもちろん、疲労回復に効果的なクエン酸やビタミンC、ミネラルを含んだ市販のスポーツドリンクを上手に取り入れるのもおすすめです。水分は一気にではなく、こまめに飲みましょう」と話します。
食欲がないときは、味付けに変化を付けるなど、調理方法をひと工夫するのがポイント。
例えば、胃液の分泌を促し、食欲を増進させるのが、カレー粉や唐辛子、ショウガ、ミョウガなどの香辛料や香味野菜。「炒め物にカレー粉を加えたり、みそ汁に七味を少し入れるだけでOK。みそ汁は発酵食品なので、腸内環境を整え、免疫力がアップする他、塩分補給にもなります」と説明。
また、冷たいものの取りすぎは胃腸の働きを弱める原因に。冷房で体が冷えているときは、みそ汁やスープなどの汁物を一品添えて。野菜はレンジで温め、温野菜にすれば、体が冷えるのを防ぎます。「水菜(葉茎菜)、ニンジン(根菜)、カボチャ(果菜)などを組み合わせることで、食感も楽しめます」と。その上で「暑くてもストレッチなどの適度な運動と、規則正しい食事が大切。生活のリズムを整えて、夏の疲れを吹き飛ばしましょう」と話しています。
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簡単・夏バテ予防レシピを南條さんに教えてもらいます。
《材料(4人分)》
・豚ロース薄切り…200g ・塩こしょう…少々 ・小麦粉…適量 ・タマネギ、ピーマン、ニンジン…50g ・サラダ油…大さじ1
タレ
・しょう油…大さじ2 ・酒 …大さじ2 ・みりん…小さじ2 ・砂糖…大さじ2 ・おろしショウガ…3g ・おろしニンニク…3g
《作り方》
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- タレの材料を合わせておきます
- タマネギ、ピーマン、ニンジンは細く、食べやすいように切ります
2.豚肉に塩こしょうをし、軽く小麦粉をはたいておきます。 ※水に溶けやすいビタミンB1を小麦粉でコーティング - フライパンにサラダ油を入れ、火にかけます
- ②を入れて炒め、さらにタマネギ、ニンジン、ピーマンを炒めます。全体に火が通ったら①をかけ、全体にからめてから火を止めます
- 皿に、キャベツの千切りとトマトを添えます
《材料(4人分)》
・カボチャ…50g ・ニンジン…30g ・サツマイモ…50g ・ナスビ…50g ・オクラ…6本 ・水菜…50g ・サラダ油…大さじ1 ・レモン輪切り…2枚分
ドレッシング
・オリーブオイル…大さじ2 ・塩…2つまみ ・レモン…大さじ1
《作り方》
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- 水菜は3㎝幅、ナスビは1cm幅の輪切りに。カボチャ、ニンジン、サツマイモは食べやすい大きさに切ります
- オクラは、塩(分量外)で板ずりし、さっと洗っておきます
- 耐熱皿に、水菜を敷きます。その上に、カボチャ、ニンジン、サツマイモ、②をのせます。軽くラップをして、2~3分、電子レンジにかけます
- フライパンにサラダ油を入れ、①で切ったナスビを両面焼きます。
- ドレッシングを合わせます
- ③の皿にナスビを添えます。輪切りしたレモンを4等分し、飾ります
- ドレッシングをかけます
《材料(4人分)》
・サバ水煮缶…1缶(200g) ・キュウリ…1本 ・ミョウガ…1個 ・青ジソ…4枚 ・おろしショウガ…小さじ2 ・木綿豆腐…1/2丁 ・白すりごま…大さじ2 ・合わせみそ…大さじ1.5 ・冷やしただし汁(冷水でも可)…300cc ・塩…適量 ・ごはん…2膳分(300g) または、そうめん…4わ
《作り方》
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- サバ水煮缶を身と汁に分け、骨を取って身をほぐします
- キュウリは薄い輪切りにして塩でもみ、水気を絞ります。青ジソ・ミョウガは細切りに
- ボウルに白すりごまとみそを入れて混ぜ、①の汁でのばします。冷やしただし汁を少しずつ加えて溶かします。
- 器にごはんを盛り、ほぐした木綿豆腐と①のサバ缶の身、②と、おろしショウガを盛り付け、③の汁を注ぎます
- 野菜を入れた後に、好みで塩・こしょうを振りかけます。※そうめんの場合も、④のごはんと同じように盛り付け。つけ麺のようにしてもOK
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