「建てたい家を建ててくれるか」が鍵
満足できるマイホームを建てるには安心して任せられる家づくりのパートナーが不可欠。シリーズ4回目は、紀州熊野材の住宅に定評がある「和秋建設」(和歌山市北新戎ノ丁)の代表取締役で、1級建築士の前田純(ひとし)さんに、地元工務店で家を建てるメリットや注意点を聞きました。
同社は、地場の住宅事情に精通し、気候風土に合った住まいを手掛ける地域密着型の工務店。少数精鋭ならではの機動力を生かして、設計から施工まで一貫した家づくりを行っています。
「希望や条件、予算に合わせた自由設計が基本。施工現場を熟知した者が建て主と対話を重ね、住まいの価値観を共有してからプランを提案します」と、前田さんは話します。ハウスメーカーと比べ、宣伝費や人件費など会社の管理にかかるコストが少ないため、建築費を抑えられるのも工務店で家を建てるメリットの一つだそう。
「工務店と一言でいえども、構造や工法、建材、住宅性能は各社それぞれ」と前田さん。「私たちは紀州の職人が紀州材を使って建てる地産地消スタイル。断熱等級6、耐震等級3が標準仕様で、省エネ性が高く、丈夫で快適な家が特徴です」と、自社の家づくりを語ります。2025年から始まる住宅の省エネ基準適合の義務化を背景に、このようなハイスペックな建築技術を提供する工務店も増えつつあります。
依頼先の選び方について尋ねると、シンプルに、「建てたい家を建ててくれる会社かどうか」と答える前田さん。「住まいに求めるテーマと、会社の得意分野が一致しているかが、理想のマイホームを実現させる鍵。打ち合わせ時にこだわりたい部分を相談し、具体的な提案ができる会社は信頼できます」とアドバイス。建築関連の有資格者の有無もチェックを。「自社サイトやSNSを随時更新し、最新事例を紹介しているところもおすすめ」とも話していました。
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