すごいぞ!和歌山の底力
日本初!5本指ソックス
和歌山から世界へ躍進

日本初!5本指ソックス 和歌山から世界へ躍進

地域が誇るものづくりを紹介する「すごいぞ! 和歌山の底力」。シリーズ3回目は、日本で初めて5本指ソックスを手掛けた専門メーカー「ニッティド」が登場。業界のパイオニアとして世界品質のものづくりを国内外へ発信する一方、「ウエルネス」をテーマにしたブランド力で地域の活性化も図ります。

業界のパイオニア
自社ブランドで知名度アップ

5本指ソックスメーカー「ニッティド」(海南市下津町)のルーツは半世紀前にさかのぼります。1970年に世界で初めて工業的に生産されたというスペイン製の5本指ソックスに、井戸端康宏社長の父で先代の隆宏氏が着目。当時手袋メーカーの役員をしていた隆宏氏は、「素材や編み方を変えることで、日本で普及できるかも」と74年から開発に取り組みます。81年にはニッティドの前身「ニットグローブ」を設立。「ひとのやらないこと、ひとのやれないこと」を創業理念に5本指ソックスのパイオニアとしての礎を築きます。

88年には24歳だった井戸端社長が入社。「当時はまだ家族経営の小さな会社でした。サンプルの開発から直営工場の構想まで現場に立ちながら新規事業に携わる毎日。2代目というより1・5代目だと自負しています」と笑いながら話します。

92年には健康にいいとシルク製のソックスがヒットしたことで、業界で名が知られるように。95年にスポーツアパレルに進出。翌年には完全無縫製の編み機(島精機製作所製)を導入、5本指ソックスの弱点だった履きにくさを解消しました。

しかし、自社製品のほとんどが取引先のブランド名で販売されていたため、2001年に先代から事業を受け継いだ井戸端社長はブランディングの確立を目指し、06年に「ニッティド」に社名を変更。戦略の一つとして海外市場に視野を広げ、ドイツに販売会社を設立。17年にはその実績や経験を基に、自社ブランド「ニッティドプラス」を立ち上げ、新たな購買層を確保しました。

現在年間400万足を生産、自社ブランドの売上高は全体の2割を占めます。東京とドイツの直営店やオンラインショップで販路を拡大。「ニッティドの5本指ソックスを世界に広めていきたい」と井戸端社長は意気込みます。

機能的でおしゃれ
見せたくなるソックス

新ブランドが4月にデビュー
試し履きができる直営店もオープン

手袋のように指を1本ずつ包む5本指ソックス。「足指が独立しているため、指先がよく動き、バランスのよい姿勢を保てます。通気性や保温性にも優れていますよ」と井戸端社長はその特長を説明。スポーツのジャンルごとに開発したソックスも手掛けているため、ニッティド製品を愛用するプロアスリートも少なくないそう。

自社ブランド「ニッティドプラス」はヨガやピラティスなどに特化した製品。かかとへの衝撃を吸収する「エアークッション」や、強力なストレッチ素材を使用した「アーチサポート」など製造技術の特許も取得しています。色や素材、丈の種類もバラエティーに富み、前ページの写真で井戸端社長が手にしているのは、数あるラインアップの中でも人気のある一品です(フットアーチ・マーブルメッシュ・アンクル/2090円)。

一方で、普段使いできるファッション性の高いブランド「トレーラーガーデン」も4月に誕生。左写真の「3Dティア柄ショート」(1540円)は同ブランドの商品の一つで、今後もさまざまなデザインが登場する予定です。

2つの自社ブランドは、ニッティドが運営し、4月にオープンした複合施設「トレーラーガーデン」(海南市下津町)内の直営ショップで購入可能。ドイツで展開される欧州限定ブランド「KNITIDO」もあり、現地デザイナーとコラボした洗練されたデザインが魅力的です。

中国工場と合わせ、約320台の編み機を保有

中国工場と合わせ、約320台の編み機を保有

店内にあるソックスは100種類以上、男性用、女性用、子ども用と種類やサイズも豊富。ソックスの試し履きができます。「当社工場にはクリーニング設備も整っているので、清潔なものをいつでもご用意しています」と井戸端社長。5本指ソックスが初めての人も気軽に試してみてはいかがでしょうか。

環境問題にも取り組むニッティドは、羊にストレスを与えない飼育にこだわるノンミュールジングウールを使ったソックスを検討しています。「特に海外では動物愛護に関する商品が期待されています。国内でも環境に関する意識が高まりつつあるし、時代のニーズに合った商品展開をしていければ」と井戸端社長は話します。

おしゃれなソックスが並ぶ本社ショールーム

おしゃれなソックスが並ぶ本社ショールーム

JR加茂郷駅から徒歩約5分の場所にある本社

JR加茂郷駅から徒歩約5分の場所にある本社

フットケア、ピラティス、ドイツ料理
健康が地域と人をつなぐ新スポット

JR加茂郷駅横のスペースに、木を基調としたトレーラーハウスがたち、緑の植栽が癒やしを演出する「トレーラーガーデン」。心身の健康を整えるウエルネスをテーマに、雑貨や食事、ヘルスケアを発信する場として話題を集めています。

直営ショップの店内。ここにしかない限定品も要チェック!

直営ショップの店内。ここにしかない限定品も要チェック!

オープンしたきっかけは「下津の住民の方たちとの出会いから」と井戸端社長。「2年前に当社の編み機で作ったマスクを直売し、お付き合いが始まって」。この交流が、5本指ソックスを長年作り続けて培ったウエルネスの知見を伝え、“健康づくりに貢献できる拠点”の構想につながったそう。
敷地内には自社ブランドの直営ショップやサロン・スタジオ、カフェが並びます。サロン・スタジオではピラティスや全身マッサージ、フットケアを展開。カフェでは本場の味を再現したドイツ料理を提供しています。「人も地元も元気に。そして地域の活性化につながれば」と井戸端社長は期待します。

各店舗の営業時間などの詳細はホームページで確認を

各店舗の営業時間などの詳細はホームページで確認を

ニッティド

代 表 者 代表取締役社長 井戸端康宏
創    業 1981年
本   社 海南市下津町丸田68-1
電 話 番 号 073(492)0077
ホームページ 【ニッティド】https://knitido.co.jp/
【トレーラーガーデン】https://trailer.garden/

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