この7月のテレビに
“ぼかし”増えるわけは?
“ぼかし”は男が目を細めて見るもの…というのは過去の話。今は地上波でも普通にぼかしが出てくる。キワドイものが映っているからでない。一つは、プライバシー保護のため。例えば、街頭インタビューの周りにいる人たち。誰とどこにいたかを特定されないよう、取材対象者の周りをぼかす。「一緒にいた相手はバレてはいけない関係だった」などのクレームを防ぐためだ。もう一つ、商品や看板などに入れるケースも。これは番組スポンサーの競合他社商品を隠すように、テレビ局が独自に入れている。
この7月、特に“ぼかし”が増えるのは、参院選や都知事選など大きな選挙があるから。公職選挙法により、すべての候補者を平等に扱わなければならない。たまたま候補者のポスター一人だけが、後ろに写り込んでしまったらアウト。「なぜ一人だけ、えこひいきをして映すのか」と各政党から苦情が入る恐れがあるので、“ぼかし”が必要なのだ。お風呂上がり、ぷよぷよボディーという現実から目をそらし、姿見をぼかさないと見れない僕とは重みが違うのである。
テレビのツムジ 関西の放送作家がバッサリ!
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
関連キーワード