日々の暮らしの中で
それぞれの色を放ちながら
コンテンポラリーアートの作家である友人のYちゃんが私の息子に言ったそうです。
「あんたはお父さんが変な人だと思ってるやろ? 違うで。本当に変なのはそんなお父さんと結婚した、あんたのお母さんの方やで」(酔っぱらって道で眠るYちゃんの方こそ変な人だと思う…)。
自由業の亭主はそれらしい風貌と言動で変わっているとよく言われます。それに比べて私は、ごくごく一般的。遅刻さえできない小心者です。
ただ、私が結婚について望んだことは、「結婚後も仕事を続けたい」という一点でした。
一部の能力のある人か、教師でもない限り結婚退職が当たり前の時代。養えるという証しか、お見合い相手がいきなり給料明細を差し出したりすることも。「男性は結婚退職しないのに、どうして女性だけが宝塚歌劇のように結婚で仕事を辞めなければいけないのか」と不満でした。
私は、絵本の編集者という仕事が大好きでした(プロフィル参照)。ですから、「仕事を続けていいよ(自由業で収入が不安定。続けてもらわなければ困る)」という亭主との結婚はある意味、お互いの利害が一致した政略結
婚かもしれません。
ちなみに亭主のプロポーズの言葉は、「(あおくんときいろちゃんのように)二人で色をつくろうよ」でした。
『あおくんときいろちゃん』(出版=至光社、レオ・レオニ・作/藤田圭雄・訳)は、レオニの初期の作品。画用紙を切って色をつけただけの登場人物たちが楽しいのです。
あおくん(青)ときいろちゃん(黄色)は仲良しで、うれしくて、くっついて緑になりました。
さてさて私たち夫婦は長年かけて何色に?
名前 | なりきよ ようこ |
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プロフィル | 絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。 保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表 |
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