「YOUは何しに日本へ?」で流された涙の意味とは!?
テレビ和歌山で土曜正午から放送中の「YOUは何しに日本へ?」。バラエティー番組の満足度調査(データニュース社調べ)では、1位に輝いている人気番組だ。この番組の魅力を一言で言えば「ノープラン」。空港で、訪日外国人へ突然「アナタは何しに日本へ?」と声をかけ、面白そうなことをする人はその場で交渉し、密着する。アポ無し、行き当たりばったりで。だからこそ、脚本じゃ書けない感動が生まれるし、あっけないほどさっぱりした結末もある。最後までひきつけられるよくできた番組だ。
ただ、これを制作者の視点で見ると、とんでもない番組となる。恐らく、取材陣は何日も空港に張り付き、声をかけまくっているだろう。見込みもない中、面白い密着VTRが撮れるまで、膨大な時間をかけているのだ。つまり取材の費用対効果が最悪。VTR1本分のギャラしか出ないから、それに何日もかけるとなると、制作会社としては商売にならない。この番組でスタッフがたまに流す感動の涙は、本当は「やっとギャラがもらえる」という安堵(あんど)の涙かもしれない。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
※次回は10月10日号に掲載
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