「和歌山城ホール」が29日(金)に開館
文化とにぎわい創出
- 2021/10/21
- フロント特集
紀の国わかやま文化祭の開幕に合わせ、和歌山城ホールがいよいよ開館。和歌山城を目の前に、どんな新しいスポットが誕生したのか、同ホール館長の柏谷佳邦さんに聞きました。同時に隣接して城前広場も完成。周辺に新しく飲食店なども増え、にぎわいが生まれます。
/大ホール/
木の装飾が施された壁に囲まれ、重厚感と温かみを感じる空間。2階席(267席)もあり、1階席(687席)だけの利用も可。大ホールの舞台と同じ広さのリハーサル室もあります
/屋上庭園/
天守閣を望み、テラスやベンチなどで自由に時間を過ごせます。2つのステージもあり、イベントスペースとしても活用
どのフロアからも天守閣を望む
誰もが立ち寄れるオープンな場所に
和歌山市のけやき大通り沿い、和歌山城天守閣を目の前に望む旧市立伏虎中学校跡地(同市七番丁)に、「和歌山城ホール」が完成。10月29日(金)に開館を迎えます。老朽化に伴い和歌山市民会館が閉館し、新しい場所で、市民に名付けられた名称で新たな歴史を刻みます。
約6600平方メートルの敷地に完成した建物は地上5階建て(一部地下1階)、総工事費は約106億円。客席954席の大ホールと395席の小ホールを備え、客席は舞台の見やすさに配慮した千鳥配置。障害者や親子が気兼ねなく利用できる多目的席も設けています。大ホールは舞台にオーケストラピットがあり、音楽や演劇、舞踊、講演会などさまざまな演目を想定した多機能ホール。小ホールは舞台と観客席の間に仕切りがないオープン形式で、演者がより身近に感じられます。
建物の中に入ると、吹き抜けのエントランスホールが印象的。紀州材などの木材がふんだんに使われ、大階段とエレベーターが、大・小ホールの入り口となる2階に誘導します。1階には扉を開放すれば外とつながる展示室があり、作品展示にとどまらない多彩な催しに活用。テナントスペースでは、飲食店「わらいや和歌山城」が30日(土)から営業を始めます。
市民に開放される屋上庭園(5階)も同ホールの特徴の一つ。天守閣をまっすぐ見据える眺望で、展望テラスや市花のツツジが植えられたガーデンテラスが憩いの場に。イベント向けのステージもあります。
「さまざまな文化活動の発信や交流など、市民の皆さんが活用しやすいホールが誕生したと思います。また、和歌山城の目の前という立地で観光の拠点にもなり、飲食店や屋上庭園で過ごすなど、幅広い人たちに来ていただける場所となって、にぎわい創出の拠点にも。多くの人に愛されるホールにしていきたいです」と、柏谷館長は話します。
30日に「紀の国わかやま文化祭2021」が開幕。関連する催しが、この場所で行われます(詳細は同文化祭ホームページ→https://kinokuni-bunkasai2021.jp/)。
文化や観光、そしてビジネスの拠点にも
和歌山市の新しいシンボルに
/エントランスホール/
4層吹き抜けの伸びやかな空間、ふんだんに使われた木の温かみが広がります。コンクリートの壁には木目模様があり、柔らかさを演出。石垣模様の壁もあり、和歌山城との調和を意識
/展示室(1階)/
扉をすべて開放でき、外の多目的広場とつながることでオープンなスペースに。展示だけでなく、見本市や会議などのコンベンション機能が備わり、イベントにも活用
/小ホール/
座席のシートは和歌山城の野面積みの石垣をイメージし、刻印もデザインされています。大ホールともにバリアフリーで、それぞれに専用のホワイエ・エレベーターがあります
/会議室/
300人を収容できる大会議室は、和歌山城側はガラス張り。ほか小・中規模の会議室も
/和室/
分割して使うこともできる和室。お茶の炉(ろ)もあり、茶道の催しや集まりにも使えます
/テナントスペース(わらいや和歌山城)/
レストラン&カフェ、バスクチーズ専門店、軽食やドリンクのテークアウト専門店がオープン
/屋上庭園(ステージ)/
演者が和歌山城を背に舞台に立ち、観客は芝生スペースから鑑賞できるエリア
和歌山城ホール
住所 | 和歌山市七番丁25-1 |
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電話 | 073(432)1212 |
開館時間 | 午前9時~午後10時 年末年始(12月29日~1月3日)※臨時休館あり |
ホームページ |
https://wakayama-johall.com/ |
祝・和歌山城ホール開館 紀の国わかやま文化祭2021地域文化発信事業
和歌山城 光と音の饗宴
入場無料
「城前広場」も完成! 同時オープン
周辺エリアに新店が続々誕生
和歌山城ホールの完成と同時に、和歌山市役所前(旧紀陽銀行和歌山中央支店ビル跡地)に「城前広場」が誕生(約1700平方メートル)。10月30日に3つのテークアウト専門店がオープンします(下部参照)。木製のベンチに座って飲食をしたり、食べ物やスイーツを片手に、まち歩きを楽しむこともできそうです。
和歌山城ホールと城前広場の完成は、和歌山市中心市街地の活性化に向けた大きな起爆剤。周辺エリアでは、和歌山市が進めてきた大学誘致により県立医科大学薬学部が開学し、「キーノ和歌山」や「みぎわテラス」などの複合施設も完成。これらと並行して同市が取り組んできたのが、まちなかの公共空間や遊休不動産を活用したリノベーション事業。これらが功を奏し、いま近隣では新店の誕生が相次いでいます。
「今後もさらに魅力あるスポットや憩いの場がまちなかに誕生し、歩いて楽しめる“ウオーカブルシティー”となることを目指します」と、同市都市再生課。現在は、市営京橋駐車場を「京橋親水公園」に整備中で、今年度中に完成予定。市堀川沿いの遊歩道へと続く約1200平方メートルの公園ができることで、さらなるにぎわいが生まれることが期待されます。