「クレイジージャーニー」の
見えざる境界線とは!?
MBSで深夜放送中の「クレイジージャーニー」という番組がある。司会は、松本人志、設楽統、小池栄子。彼らが、クレイジーで特異な旅をしている人をスタジオに招き、その旅を共にVTRで見るという番組だ。今までマリファナ畑や銃の密売など、テレビで見たことのない危険地帯が紹介された。探検、潜入ルポを映像化したような今、最もキワドイ番組である。
中でも、際立つのはMC3人の存在。設楽統は仕切るだけでなく、小気味よく突っ込み、場を引き締めている。一見クレイジーそうな松本人志は、実は一番視聴者に近い。如実なのが、クレイジーな旅人へ正面を向いてしゃべらないこと。「よくそんな旅するわ」と時折、引いているかのように身体を斜めにし、質問をしている。つまりクレイジーとノーマルの見えない線をスタジオ内で引いているのだ。その線こそが重要で、なければVTRもどんどんエスカレートし、本当に放送できなくなる。小池栄子はといえば、試食用に出てきた虫を「おいしい」と率先し食べていた。一番クレイジーなのは、彼女なのかもしれない。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
※次回は9月12日号に掲載
関連キーワード