「よ~いドン!」の“間”に隠された秘密とは!?
ビートたけし著「間抜けの構造」を読んだ。内容は、人生において、間(ま)の取り方次第で世界は変わる、といったもの。それはテレビ番組にも当てはまる。番組を観て、騒がしく感じたり、眠くなったりなどと間が悪ければ、すぐチャンネルを替えられるのだ。その中で、絶妙の“間”を持つ番組がある。関西テレビ「よ~いドン!」。朝9時50分から始まる情報番組だ。
この時間帯の視聴率は常に1位。番組は「となりの人間国宝さん」という街ブラのコーナーからスタートする。実はこのコーナー、ナレーションや場面転換など、夜の番組比べ、“間”がかなり長い。しかし、そこからのコーナーは、間を詰めて早くなっていく。つまり番組のリズムが主婦の生活に併せ、家事が一段落する10時前後はゆったりと、そしてお昼が近づく11時過ぎには、テンポアップしているのだ。制作者に聞くと、意図的だと言う。
放送する時間帯と視聴者層を計算した“間”。これこそ「よ~いドン!」が成功している理由なのだ。僕も仕事の“間”をもっと詰めたいが…業界諸氏の皆さま、依頼お待ちしています。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「関西情報ネットten!」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
※次回は11月8日号に掲載
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