気候変動観測中⑯春一番

―3月2日、近畿地方で「春一番」が発表されました。どんな風のことを言うのですか ?
冬から春への移行期、つまり立春~春分の間に初めて吹く、暖かくて強い南寄りの風のことです。「春一番」が吹くのは、日本海で低気圧が発達しながら北東に進むときなどで、突風を伴うことも珍しくありません。

―なぜ春一番って呼ばれるようになったの。
1859年3月17日、隠岐の漁師が突風で遭難してから、漁師の間で春の初めに吹く強い風を「春一番」と呼ぶようになったという説があります。春一番の発表は季節の便りであると同時に、災害予防の意味も含まれています。

―春一番が吹かない年はありますか。
もちろん、あります。気圧配置や風向き、最大風速など、一定の条件を満たさなければ発表しません。昨年と一昨年は条件を満たさなかったので発表が無く、今年は3年ぶりとなりました。

―発表は全国で?。
北日本(北海道、東北)、甲信、沖縄は、立春~春分の期間、「寒い」「内陸で強い風が吹きにくい」「暖かい」などの理由から発表していません。

―春は天気の変化や寒暖の差が大きいのはなぜ。
春になると、冬型の西高東低の気圧配置が次第に緩み、高気圧と低気圧が交互に西から東へと通過し、天気は数日の周期で変わります。低気圧が進んでくるときは南からの暖かい空気が流れ込んで気温が上昇しますが、高気圧が進んでくるときは北からの冷たい空気が流れ込んで気温が下降。そのため、気温の差が大きくなります。

―今年の開花予測は?
気象台では、紀三井寺の桜(ソメイヨシノ)を標本木として観測し、5輪以上花が咲くと開花発表をします。平年3月26日ですが、近年は少し早い傾向。開花は和歌山地方気象台のホームページでも発表するのでチェックしてくださいね。

回答者
田中省吾さん
和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員

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