旬の味覚!知られざる柿のチカラ
- 2014/9/25
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健康に役立つ働き 渋みの正体タンニン
「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど、栄養がたっぷり含まれている柿。和歌山の特産として身近な存在ですが、柿の持つパワーについて意外と知らないことも多いのでは。「柿データベース」を持つ和歌山県伊都振興局地域振興部農業振興課(橋本市市脇)の播磨真志さんに柿の秘密を伺いました。
柿の主な栄養は、カリウム、ビタミンC、βカロテンなど。特にビタミンCが豊富で、大きめの柿を1つ食べると1日に必要なビタミンCをとることができます。ウイルスに対する免疫力を高めるので、風邪の予防に最適。カリウムなどのミネラルも多く含まれ、水分の代謝や利尿作用があるので、むくみ防止にもなります。
「和歌山産の柿は、ほとんどが渋柿。渋みの正体はタンニンといわれるポリフェノールの一種です。強い高酸化作用があり、体内の活性酸素の働きを抑えてくれます。渋みを感じる原因は、このタンニンが舌の上で溶けるため。甘柿は熟していく過程でタンニンが水に溶けにくくなるので、渋みを感じません。タンニンの力で、お酒を飲む前に柿を食べておくと悪酔いを防止したり、二日酔いになったときにも役立つといわれています(上記参照)。播磨さんは「柿は腹持ちがいいので、お酒を飲むときにおつまみにすれば、飲みすぎ防止にも効果的です」と言います。お店に並んでいる渋柿はすべて、収穫された後食べやすいように〝渋抜き〞されています。この渋抜きは、炭酸ガスを使って、水溶性タンニンを水に溶けない不溶性に変える作業。タンニンを抜いてしまうわけではないので、体に良い成分はそのまま残されます。
「他にも、柿の葉の殺菌効果を利用した「柿の葉寿司」や、防虫効果に優れた柿渋を天然塗料として使うなど、食用以外にも使い道はさまざま。柿はまさに変幻自在のパワフルフルーツなのです。
たくさんあるときは 凍らせてストック
数えきれないほど種類豊富な柿。「近年人気を集めている〝太秋〞という品種はサクサクの食感が好きな人におすすめ」と播磨さん。食感や甘み、大きさなどさまざまある中から、お気に入りを見つけて。
また、名産地であるがゆえに、たくさんもらって食べ切れなくて困ったという和歌山県民ならではの経験もあるのでは。そんな時は、フリーザーバッグに入れて凍らせれば、1〜2カ月は保存が利きます。半解凍の状態で食べると、シャーベットのような食感になりおいしく食べられます。
他にも、ジュースにしたり、サラダにしたり、リンゴの代わりにカレーに入れたりとアレンジも多彩。栄養がギュッと凝縮された柿を食べて、秋を感じてみましょう。
柿ミルクの作り方
材料(2人分)
・柿(皮をむいて)・100g
・牛乳・・・・・・・200cc
作り方※レシピを画像で確認
(1)皮をむいた柿を、小さめに切ります
(2)柿と牛乳をミキサーに入れ、約20秒かくはんするとできあがりです
簡単に作れておいしい柿ミルク。やさしい甘みで癒やされます。「伊都地方の柿料理レシピ集」には、40種類もの柿料理のレシピが載っています。詳しくは、和歌山県ホームページ(http://www.pref.wakayama.lg.jp/)の伊都振興局「柿データベース」へ。
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