自分や家族の健康管理のために活用したい いざというときに役立つ 青洲リンク「NOBORIアプリ」
- 2023/3/16
- フロント特集
東日本大震災の災害時、病院や自宅が流されたことで、被災者は処方されている薬の情報がわからなくなりました。
そこで今週は「きのくに医療連携システム青洲リンク協議会」が運営する青洲リンクとNOBORIアプリを紹介します。
病院などの医療機関間で
情報共有する青洲リンク
和歌山県立医科大学附属病院では、「県民のみなさんに安心して医療サービスを受けてもらいたい。そして南海トラフなどの災害により病院が流されたりしても、患者さんの大切な医療情報を守りたい」。そんな思いから誕生したのが和歌山県の医療連携システム『青洲リンク』です。県内の中核病院、地域の病院、診療所などが、青洲リンクでつながっています。
青洲リンクは開設して今年で10年目。患者さんの検査結果や薬情報など診療情報を登録し、青洲リンク参加医療機関間(病院・診療所・薬局)で必要時に医療情報を共有できる医療連携ネットワークです。現在(2月)病院・診療所など56施設、薬局112施設が参加しています。参加患者数は約1900人。
和歌山県立医科大学血液内科学講座・医療情報部の西川彰則部長は「医療機関の診療情報をシステム上でまとめて表示する県内連携共有カルテの実現を目指しています。みなさんがこれまでに受けた検査・投薬などの診療情報が、青洲リンク参加医療機関間で必要時に参照することができます。複数の医療機関を受診した場合、今飲んでいる薬の種類、アレルギーの有無などの診療情報を相互の医療機関で共有できるので、平常時に円滑な医療を受けることができます。
また、青洲リンクに参加している医療機関で受診した診療情報は青洲リンクにバックアップしてあるので、災害が発生したときでも患者さんの投薬などの情報をいち早く確認できます」
NOBORIアプリで
自分の健康チェックは自分で!
青洲リンクでは、昨年8月から患者さんが医療情報を自分で管理できるNOBORIアプリの運用を開始しました。
青洲リンクに参加同意し、NOBORIアプリをスマートフォンにインストール(ページ下部参照)すれば、いつでも自分のスマートフォンで検査結果や薬の情報を確認でき、持ち歩けます。
また、自分の医療情報を家族やかかりつけ医、医療機関と共有できるほか、スマートフォンがなくてもアプリの家族追加機能を使えば、家族のスマートフォンで情報を管理できます。
「スマートフォンを使って、青洲リンク加盟以外の診療所やクリニックにも、診療情報をみてもらうことができます。患者さんを介した形での医療情報連携の輪が広がります」と西川部長は話します。
現在、青洲リンク参加医療機関でNOBORIアプリの情報を見ることができるのは、和医大附属病院だけですが、今後は、ほかの青洲リンク参加病院にも順次拡張する予定です。
NOBORIアプリは直近1年間の情報参照は無料。ただし1年以上前の情報を見るには有料プランの申し込み(月額100円)が必要。アプリの活用は次項参照。
病院の検査結果や薬情報をいつでも見ることができます
アプリで自分の医療情報を管理しよう
便利な機能を使いこなす
医師とのコミュニケーションツール
青洲リンクのNOBORIアプリを活用しているのが、田中みやさん(和歌山市在住)です。田中さんは、約10年前からシャンソンコンクールなどに出場し、2015年にはメディア・アート・ホールで初めてのリサイタルを開催。それ以後もボーカルとして数多くのコンサートに出演してきましたが、2017年に多発性骨髄腫(こつずいしゅ)を発症し約1年半、治療に専念。体調が安定してきた2021年には紀の国わかやま文化祭で和歌山城ホールのステージに立ち、美しい歌声を披露しました。
今も定期的に和医大附属病院に通う田中さんは、昨年8月から使っているNOBORIアプリについて、「薬の情報管理はもちろん、検査結果を自宅で確認できます。ノート機能を使って、何日に熱が出たとか気になることなど、細かく健康状態をメモして、次の受診の時に、医師に報告します。健康情報を医師に忘れずに伝えることができるのでとても役立ちます」と話します。
検査結果はその日に出ないことがあり、後日自宅で結果を確認できるのは便利です。田中さんはNOBORIアプリを使いこなし、自身の健康管理及び医師とのコミュニケーションツールとして役立てています。
家族や医師と情報共有し
活用シーンを広げよう
その①「入院中の家族に面会できなくても大丈夫です」
面会制限などで入院中の家族に面会できなくても家族のスマートフォンで検査結果などを確認でき、また、入院中の子どもの情報が両親で共有できます。
その②「退院後、かかりつけ医を受診する際や旅先で活用」
かかりつけ医に病院の検査結果や薬情報を提供できます。また、旅先で急に診察を受ける場合にも役立ちます。自身のスマートフォンの画面をかかりつけ医に見てもらうか、かかりつけ医のパソコンに医療情報を表示することもできます。
その③「遠方の家族の見守り」
遠く離れていても検査結果などを確認できるので家族の健康状態がわかり安心です。
その④「その他の便利な機能」
ノート機能に体調で気になることや次回受診時に医師に聞きたいことなどメモができ、文字だけでなく撮影した画像を残すこともできます。さらに「血圧手帳」や「ワクチン手帳」に、自分で測定した血圧データを記録したり、ワクチン接種の履歴を残せたりできます。
1.スマートフォンにNOBORIアプリをインストール
2.ユーザー登録
医療機関は和医大附属病院を登録 ※ここではまだ情報が見られません。登録したログインIDとパスワードは控えておいてください
3.青洲リンク参加同意書の記入
4.青洲リンク事務局で本人確認登録
※手続きに必要なもの(下記参照)を持参して事務局(和医大附属病院3階・下部地図参照)へ
5.青洲リンク事務局で手続きが終わると完了
手続きに必要なもの
・本人が手続きする場合
本人の診察券、本人確認書類(保険証や運転免許証など)
・家族が手続きする場合
患者本人の診察券、患者の本人確認書類、家族の本人確認書類
ダウンロードは下記QRを読み取ってください。
NOBORIアプリ登録
キャンペーン実施
青洲リンク事務局では、青洲リンクやNOBORIアプリの説明のほか、登録のメリットまでわかりやすく紹介する「キャンペーン」を実施します。
3月16日(木)、17日(金)、4月17日(月)~19日(水)、各午前10時〜午後3時、和医大附属病院3階の輸血部受付ブース(地図参照)。参加費無料。自身の健康管理のために、青洲リンクに参加しませんか。
問い合わせ | 073(441)0858 青洲リンク事務局(和医大附属病院3階 平日午前10時~午後4時) |
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