今、ビーガンに注目!

  肉や乳製品などを使わず、植物由来の食品だけで作る「ビーガン料理」が今、注目されています。そんな中、4月9日(土)、紀美野町に野菜料理を専門とする“ビーガン”レストランがオープン。同店オーナーシェフで野菜料理のパイオニア・大平哲雄さんに料理との出合いやこだわり、今後について聞きました。

オーナーシェフ 大平哲雄さん
1973年、東京都生まれ。世界各地を巡り、野菜料理を研究。都内で店を持つ他、料理本を出版したり、大手企業の商品をプロデュースしたりと幅広く活動。昨年から家族で和歌山県に移住

“遊び”から始まった料理
10代でビーガンと出合い、感銘を

料理に興味を持ったのは

―幼稚園の頃の母との“ごっこ遊び”からです。ストーブの上にフライパンを置き、一緒に卵料理を作りました。気づいたら一人で目玉焼きを作れるように。親戚の料理店の手伝いをするなど、子どもの頃の体験がプラスとなり、料理の道に入ってからの修業も楽しくて仕方ありませんでした。

ビーガンとの出合いは

―約30年前、高校を卒業した年の冬、米・ニューヨークでカフェ巡りをしていたときです。たまたま入ったビーガン専門店のバリエーション豊かで、趣向を凝らした料理に感銘を受けました。

野菜料理専門のレストラン
新たなコミュニティーの創造へ

野菜を肉や魚のように?

―香味野菜を使ったり、加熱方法を工夫したりして、どうすれば肉や魚を食べたときに感じるうま味に近づくかを考え、料理します。数種類の野菜に穀物を加えて作ったハンバーグは、食べ応えもあり、好評です。

大平哲雄さん

ビーガン料理の注目度が高まっていますよね

―はい。行政関連の食堂やホテルなど、あちらこちらで取り入れる動きが見られます。近い将来、肉や魚不足が懸念される中、一時的なものではなく、日本料理や仏料理のように、新たなカテゴリーになると思っています。

そんな中、なぜ和歌山へ

―コロナ禍、“社会が止まる”というのを経験しました。振り返ると、猛スピードで走り続ける自分が。“今後どうする”と考えたとき、私の答えは「新たな道を行け」でした。そんなとき、知人(今回の共同経営者)から紀美野町での新プロジェクトの話がありました。すぐに東京から紀美野町へ。自然に寄り添った生活にシフトチェンジするのにこれほど適した土地はない、と一目ぼれでした。

新プロジェクトとは

―農園とレストラン、将来的には宿泊・移住できるスペースをつくるなどして小さなコミュニティーを生み出すことです。モデルケースの一つとして広まり、地方分散型の社会構造となれば、新たな協調が生まれ、日本全体の地域力にもつながると考えています。

世界で見た野菜料理を楽しむ文化
味、見た目、ボリュームを追求

需要を感じたのはいつ

―21歳で再びイタリアへ渡ったときです。働いていたレストランでは、1日1組必ずビーガンのコース料理の予約が入り、需要の高さを肌で感じました。欧州など20カ国以上のレストランで働きましたが、どの国もビーガンのリクエストがあり、野菜料理を楽しむ文化がありました。日本ではまだビーガン専門店がなかったので、“おもしろいかも”と。2009年、東京都杉並区の高円寺に店をオープンしました。

そのときの反響は

―大きかったです。時には、肉や魚のないメニュー表を見て帰られる人もいましたが、「おいしいから」と野菜料理を目当てに通ってくれる人が多くいたので、今まで続けてくることができました。まだまだ隠れた需要があると感じています。

「Plant base(プラント・ベース)ハンバーグ
ほうれん草のクリームソースと旬菜のガルニチュール」

自身の料理のこだわりは何ですか

―野菜のうま味を最大限引き出し、肉や魚と同じような扱いで料理します。味だけでなく、見た目の華やかさ、ボリュームも追求しています。

紀美野町で食と自然を満喫

紀美野町の広大な敷地に4月、野菜料理(ビーガン)のレストランがオープンします。順次、雑貨店や滞在施設などができ、自然の中での暮らしを楽しむコミュニティーを生み出す未来構想。大平哲雄さんに案内してもらいました。

4月オープン予定野菜料理(ビーガン)のレストランイメージ図

自然の中でゆったり、野菜料理を堪能
レストラン Leaves of grass kimino(リーブスオブグラスキミノ)

Leaves of grass kimino

周囲に広がる山々を眺め、近くを流れる川のせせらぎを聞きながら、大平さんが手掛ける料理を堪能。毎朝、自家農園で採れた野菜やハーブ、果実が厨房へ。「イタリアンとフレンチのいいとこ取り。“野菜料理は質素”というイメージを払拭したい」と言うように、トリュフなどの高級食材を取り入れ、繊細でいて大胆、華やかな料理が楽しめます。メニューは昼・夜のコース料理だけ。プレオープンは4月4日(月)~8日(金)、オープンは9日(土)。

店内イメージ

吹き抜けの天井と大きな窓で明るく開放的に。さまざまな植物を効果的に使った空間は、ゆったりとした時間が流れます

2年熟成ゆり根のポワレ

熟成させることで甘味を引き出した「2年熟成ゆり根のポワレ」。季節野菜もそれぞれ調理法が異なるのが魅力

根菜のボロネーゼ ゴボウとショウガのフリット添え

「根菜のボロネーゼ ゴボウとショウガのフリット添え」。10種類の野菜を使ったボロネーゼソースを味わって

テラス席

店内24席、テラス席20席を設けています。天気の良い日はぜひテラス席へ

近くを流れる貴志川

近くには貴志川が流れています。食後は、敷地内の散策を

オーガニック食品や植物、オブジェが並ぶ
雑貨店

雑貨店店内の様子

マグカップやオーガニック食品、大平さんがプロデュースしたカレーやパスタソースなどがずらり

レストラン横には、植物、インテリア雑貨などを販売する店が、5月頃に完成する予定。グリーンコーディネーターがセレクトした植物や、インドネシアのガラス職人によるオブジェなど、こだわりが詰まっています。

グリーンコーディネータが沖縄やバリ島などで直接買い付けたさまざまな植物も

また、昨年、岩出市内にオープンしたカフェとオーガニック食品店「ザ・プラント・ベース」で人気の商品もあり。時期により、自家農園で採れた野菜が並ぶことも。

木の上に溶けたガラスを押し当て、息を吹き込んだ手作り、1点物のオブジェ

野菜や果樹を栽培、採れたてをレストランへ
自家農園

農薬や肥料を使わない自然農法を実践している和歌山市の久保智和さんの指導による菜園と、共同経営者でグリーンコーディネーションfuz(東大阪市)の峰岸正巳さんがコーディネートした果樹園。食後は、敷地内を散策し、四季折々の景色を楽しんで。

果樹園では10種類のオリーブやフィンガーライム、ハーブなどを栽培

レストランの近くの農園。自然農法で栽培されています。販売も予定

問い合わせ ビーガン料理専門 レストラン
Leaves of grass kimino(リーブスオブグラスキミノ)
住所 紀美野町三尾川898-1
電話番号 073(495)3031
営業時間 午前11時~午後3時、午後6時~9時
定休日 月・火曜 ※完全予約制
Instagram @leaves_of_grass_kimino

Leaves of grass kimino 大平シェフ × 和歌山リビング新聞社
コラボ企画「1日限りのランチ会」を開催!

同店の協力で、リビング読者を対象に、1日限りのランチ会を開催します。舌だけでなく、目でも楽しめるコース料理。緻密な計算と技術で引き出された、野菜のうま味を体感してください!

日時 5月3日(祝) 正午〜午後2時頃
場所 Leaves of grass kimino
料金 3000円
※ランチのコース料理(通常4980円を特別料金で)
定員 約20人
※1組(2人)まで申し込み可、最少催行人数4人
問い合わせ 和歌山リビング新聞社 073(428)0281
申し込み締め切り 締め切り 4月13日(水)
※応募多数の場合は、抽選。4月18日(月)頃、当選者だけに当選はがきを発送します
申し込み方法

①氏名(ふりがな)②年齢③〒住所④電話番号⑤キャンセル待ち希望の有無を記載し、「1日限りのランチ会」係へ
【はがき】〒640-8557(住所不要)和歌山リビング新聞社
【メール】living@waila.or.jp (メールは件名に「1日限りのランチ会」と入力)

※ソーシャルディスタンスに配慮し、開催します。新型コロナウイルス感染拡大により、延期・中止する場合もあります。詳細は当選者に連絡。また、当日のキャンセルは、100%キャンセル料をいただきます。了承の上、申し込みを

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