わが家を守る火災保険は
“使える保険”ですか?
- 2020/10/1
- フロント特集
保険金支払額は2年連続1兆円超え
昨年秋に続く2度目の保険料改定
2019年10月、損害保険各社で作る「損害保険料率算出機構」が、保険料を設定するときの基準となる「参考純率」を平均4・9%引き上げると発表。これを受けて、複数の保険会社が21年1月から、火災保険料を改定します。改定率は、都道府県、建物構造で異なり、保険会社によっても違いますが、「築年数が10~15年以上の家は値上げ、損害リスクが低い新しい家は値下げの見通し」と、独立系ファイナンシャル・プランナー会社「アドバンス・コミュニケーションズ」(和歌山市十二番丁)の代表でFPの秋山裕材さんは話します。
「実は18年にも参考純率が平均5・5%引き上げられ、19年10月に保険料が改定されました。ただ、火災保険は、新築時に住宅ローンに保険料を組み込んで、長期契約で一括払いする人が多く、直接影響するのは新規加入や更新時ということもあり、皆さん関心が低くって」と。短い期間で2度も保険料が見直されるのは、保険金の支払額が増えているためで、日本損害保険協会によると、18・19年度の額は1兆円を超えています(グラフ参照)。それだけ、台風や豪雨被害が頻発しているということ。災害のリスクは高まっています。
目先の支払額より必要な補償を!
多くの人が“入ったきり”のまま
知らないと損!? 意外と広い補償対象
ところで、火災保険で補償されるのは、“火事”だけではないことは知っていますよね? 「意外と多いんですよね、“火災保険は火事の保険”と思い込んでいる人が」と秋山さん。火災保険は、建物や家財を対象に、火災、落雷、破裂・爆発、風災、水災などの災害を補償する損害保険の一つ。プランによっては、“車が飛び込んで来て家の壁が凹んだ”“泥棒が入って家電製品を盗まれた”など、日常で起こる不測かつ突発的な事故も補償対象に。
「わが家の保険は何年満期で、今何年目なのか把握していますか? 建物だけでなく家財も対象? その補償内容は?」と秋山さんは問いかけます。 秋山さんいわく、ほぼ100%の人が新築時に火災保険に加入するそうですが、家財まで補償をつける人は、3~4割程度。また、現在の火災保険は、最長10年で満期を迎えるの対し、2015年10月までは36年契約が可能だったため、昭和後期から平成初期にマイホームを持った人は、“入ったきり”のままの人が実に多いのだとか。「一昔前は、最も使用頻度の高い風災補償については、20万円の免責金額(自己負担金)が標準設定されていました。しかし昨今は、契約時に“免責なし(0円)”に設定することもでき、数万円の損害でも保険金が支払われます。これだけ自然災害が多発している今、“使える保険”でなければ意味がありません」と主張します。 生命保険と同様に、火災保険もライフスタイルに合わせて補償を選ぶ時代。今加入している保険を見直して、掛け金がプラスになるかマイナスかはケース・バイ・ケースですが、目先の支払額より、予期せぬ事態が起きたときに必要な補償が備わっているかが大事。一度、証券をチェックしてみては。
地震保険も保険料が改定
和歌山県は値下げの見込み
ここまで火災保険について説明してきましたが、地震保険も昨年5月に、基本料率を全国平均で5・1%引き上げることが発表されていて、来年1月から保険料が改定される見込み。改定率は、都道府県と建物構造区分の組み合わせによって異なり、「地震保険については、和歌山県は現行料金より値下げに」と秋山さん。周知のとおり、火災保険では、地震・噴火またはそれらによる津波被害の損害は補償されません。19年度の和歌山県の世帯加入率は29・4%。もしも南海トラフ地震が発生したら、さてさて…。
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