食品ロス削減にもつながる 広げよう! フードドライブ
- 2019/11/7
- フロント特集
今年10月、食品ロス削減推進法が施行。食品メーカーや小売業などの企業で取り組みが進むことが期待されますが、私たち消費者も行動を見直すことが求められます。そんな中、まだ食べられる食料品を、必要としているところに届ける活動をしている「フードバンク和歌山」を取材しました。
食べられるのに廃棄される食料品 1人毎日お茶わん1杯分
”食品ロス”とは、食べられるのに廃棄される食品のこと。和歌山県循環型社会推進課の谷上直紀さんに聞くと、「農林水産省が2016年度の推計として発表した資料によると、国内で1年間に約2800トンの食品が廃棄され、そのうち約643トンが可食部分、いわゆる食品ロスでした。お茶わん1杯のご飯を140グラムとすると、全ての国民が毎日ご飯1杯分くらいの食品を捨ててしまっている計算になります」と説明します。こうした食品ロスを削減するために制定されたのが「食品ロスの削減の推進に関する法律」で、今年10月1日に施行されました。
この法律の中で支援すると挙げられているのが、“フードバンク活動”。品質に問題がないのに、賞味期限が近い、包装が破損しているなどの理由で店舗に並べられない食品や、家庭で食べきれない食品などを提供してもらい、生活困窮家庭やその支援団体など、必要としている人たちに届ける橋渡しをするのが「フードバンク」。そして、フードバンクを支える活動は“フードドライブ”と呼ばれ、今後、地域での広がりが期待されています。
フードドライブを県内でもっと活発にしようと取り組む「フードバンク和歌山」を訪ねました。
“もったいない”を“ありがとう”に
和歌山県内の各地で支援を呼びかけ 必要としている人たちに届ける
「“フードドライブ”とは、家庭や職場で余った食品を持ち寄って、私たちのような『フードバンク』に提供し、“食”に困っている家庭や施設を支援する市民活動です」と説明するのは、「フードバンク和歌山」の理事長を務める古賀敬教さん。
食べきれない食品はありませんか 無駄にせず、有効に活用しましょう
フードバンク和歌山は御坊市に拠点を置くNPO法人で、教師や地元のPTAに携わる保護者などの有志が集まって2015年に発足しました。個人や企業、行政、また生産者から食品や食材の寄付を受け、一時保管。県内の児童擁護施設や児童自立生活援助施設、母子生活支援施設、社会福祉協議会、ファミリーホームや子ども食堂などに呼びかけて、必要としている場所や人に届ける“フードバンク活動”をしています。
同時に、「御坊こども食堂」を運営。毎週土曜と毎月2回日曜(第2・4)に、事務局がある建物で、地域の子どもや家族を対象に食事を提供しています。子どもたちには無料で学習支援も行っており、教師や教師OB、学生などがボランティアで勉強を教えています。
現在、同NPOのメンバーは12人。加えて十数人のボランティアが活動を支えています。「フードバンクは、もともとアメリカで始まった運動。日本に伝わって広がり、今は『全国フードバンク推進協議会』に加盟している団体が30を超えています」と古賀さん。「食べられる食品が捨てられてしまっている事実がある一方で、食べたくても食べられない貧困家庭があります。私たちは、そんな生活が困難な人たちの支援につながればと、“フードバンク”と“子ども食堂”を両輪に活動を続けています。そして、貧困の連鎖を断ち切ろうと子どもたちの学習支援も行っています」
さらに、フードドライブが和歌山県内でもっと活発になるようにと、御坊市外にも出向いて寄付を受け付ける活動を昨年4月にスタート。毎月1回「フードドライブ実施日」を設け、御坊市のほか、和歌山市、海南市、有田市、田辺市、新宮市で各地域の支援を募っています。同NPO事務局長の鈴木正文さんは、「各地への出張は、私たちのフードバンクへの寄付を広げるというよりも、より多くの方にフードバンク活動を知ってもらいたいという願いを込めています。食品の大切さを見直すきっかけにもなり、消費しきれない食品があるときは“フードドライブ”で誰かの役に立つということを、一人でも多くの人に知ってもらえれば」と話します。
同NPOは11月と12月に、和歌山市・海南市でフードドライブを実施(下記参照)。みなさんの家庭や職場に、食べきれない食品はありませんか。この機会に有効な活用法を考えましょう。寄付できる食品は下記を参考に。
和歌山市と海南市でフードドライブ
それぞれの日程、会場で時間中はスタッフが「フードドライブ実施中!!」ののぼりを掲げ常駐しています。活用できる食品や支援品を持ち込んで
11月17日(日)
時間 | 午前10時~午後1時 |
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住所 | 和歌山市中島581-2 エクシード中島駐車場 |
12月15日(日)
時間 | 午前10時~午後1時 |
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住所 | 海南市日方283-6 |
来年のフードドライブの予定は「フードバンク和歌山」のホームぺージへ
私たちの住む地域の「子ども食堂」でも、米や食料などの支援を待っているところがあります。
(支援したいものがあるときは、まずは事前に問い合わせを)
和歌山市
こはうすの家・こむすび塾
問い合せ先 | 楠見中と河西コミュニティセンター |
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電話番号 | 073(421)7355 |
中之島子ども食堂
問い合せ先 | 中之島 橋詰鍼灸整骨院2階 |
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電話番号 | 090(6236)5827 |
鳴神子ども食堂
問い合せ先 | 鳴神 なるコミ |
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電話番号 | 073(471)1162 |
冒険こども食堂
問い合せ先 | 同市周辺の公民館など |
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電話番号 | 050(5243)2608 |
あいとく子ども食堂
問い合せ先 | 今福 愛徳医療福祉センター内 |
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電話番号 | 073(425)2391 |
おのみなとこども食堂
問い合せ先 | 下町 天理教紀ノ川分教会 |
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電話番号 | 090(8538)7949 |
インド式ヨガ自然かぞく食堂
問い合せ先 | 市小路 河北コミュニティセンター |
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電話番号 | 090(4282)2925 |
こども広場 ①
問い合せ先 | 中之島 支えあいセンター虹 |
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電話番号 | 073(474)5121 |
こども広場 ②
問い合せ先 | 栗栖 JAわかやま中央営農センター |
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電話番号 | 073(473)9402 |
海南市
オナカスイータ~ちいさな家~
問い合せ先 | 船尾 らそ恵友 |
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電話番号 | 090(2284)3767 |
きうちこども食堂
問い合せ先 | 鳥居 天理教紀内分教会 |
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電話番号 | 073(482)2774 |
※和歌山県がまとめた「こども食堂」の一覧(今年8月現在)をもとに調査