女性の“活”シリーズ 始めませんか「菌活」
- 2016/7/21
- フロント特集
毎月23日は乳酸菌の日。健康にも、美容にもいいことばかりといわれる乳酸菌を、積極的に体に取り入れませんか。健康増進を目指し、豊かな生活を送りましょう。
健康的な生活を目指して
体の花畑・腸内フローラを育てよう
婚活や朝活など、“○活”がブームになっている昨今。健康的な体を目指したり、生活する上でのパワーをチャージしたりと、さまざまな活動が盛んに行われています。そんな女性の生活を豊かにする“活”について、シリーズで届けます。
今回紹介したいのは「菌活」。健康になるため、体に良い菌を積極的にとる活動のことです。私たちの腸の中には、多種多様な細菌がすみついています。その数はなんと、約100兆個。それぞれの種類ごとに群れをなしている様子が、花畑(フローラ)に例えられ、「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内細菌は、一人一人の持っているものが違い、年齢や生活習慣、ストレスなどの影響を受けて変化します。数多くある細菌の中でも、今特に注目を集めているのが、乳酸菌。ヨーグルトをはじめとした発酵食品に多く含まれ、腸内環境を整えるだけでなく、体全体に良い効果をもたらすことが、分かっています。
乳酸菌をはじめとした腸内細菌などの研究を行う、近畿大学生物理工学部食品安全工学科食品免疫学研究室教授・芦田久さんに詳しく聞きました。食生活などに意識を向けて、腸内フローラを整えることで、健康的な体を目指す菌活。あなたも始めてみませんか。
もっと知りたい腸内細菌
継続的にヨーグルトを食べて
善玉菌をたくさん増やそう
悪玉菌が少し、日和見菌がほどほどに、善玉菌がたくさんいる、バランスのとれた腸内フローラが理想的。手っ取り早く善玉菌を増やす方法は、ヨーグルトなど、乳酸菌を多く含む食品を食べること。「胃酸で死滅してしまうのでは」といわれることもありますが、「少しでも腸に届けば、効果はあります」と芦田さん。他の国に比べて、乳酸菌産業が発展しているとされる日本。多くの企業から、胃酸に強い〝腸まで届く乳酸菌〞が含まれたヨーグルトが販売されています。また、乳酸菌は摂取してから、2、3日はとどまりますが、それ以降は減少。継続して取り入れることが重要です。
「副作用のある薬などと違い、ヨーグルトを食べることは、健康にも美容にも、良いことばかりです。全力でおすすめします」。種類によって、さまざまな病気や症状に効果を発揮することが分かっている乳酸菌。まだ発見されていない種もあるとのことで、今後の研究が期待されます。
教えて! 腸内細菌について
Q. 腸内にはどんな菌がいるの?
乳酸菌をはじめとした、良い働きをする善玉菌、食べ物を腐敗させるウェルシュ菌などの悪玉菌、健康なときには無害ですが、免疫力が下がっているときに悪さをする日和見菌が存在します。
Q. 善玉菌を増やすには?
乳酸菌を多く含む発酵食品をとりましょう。多数の種類が販売されており、手軽に続けられるヨーグルトがおすすめです。また、日本の伝統食であるぬか漬けやみそなどにも、植物由来の乳酸菌が含まれています。
Q. 乳酸菌ってどんな働きをするの?
腸内細菌のバランスを正常に保ちます。他にも、メタボリックシンドロームやアレルギー、自己免疫、うつなどの心の病気の予防、改善につながるさまざまな働きがあります(下記表参照)。
Q. 年をとると腸内細菌はどうなる?
加齢とともに、善玉菌が減る傾向にあります。例えばビフィズス菌、母乳を飲んでいる赤ちゃんの腸内には90%以上ありますが、離乳食を食べるころから減り始め、成年期には10%、老年期になるとさらに減少します。
Q. 悪玉菌の増減を確かめるには?
便のにおいが指標になります。便の半分くらいは、増殖した腸内細菌。悪玉菌が増えると、悪臭ガスが発生します。善玉菌が多く、健康的な便はにおいが少ないのです。
Q. ヨーグルトは1日にどのくらい食べたらいい?
毎日、または2日に1回、100g程度で十分です。食べ過ぎると、乳酸菌が刺激になり、下痢をしてしまうことも。適量を継続して食べることが大切です。
菌の名前と期待できる役割
R-1乳酸菌 | 免疫力強化、インフルエンザなどの予防 |
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LB81乳酸菌 | 整腸作用、便秘予防 ※プレーンヨーグルトなどに含まれる、典型的な菌 |
乳酸菌シロタ株 | 免疫力強化、花粉症などのアレルギー対策 |
LG21乳酸菌 | ピロリ菌の除去効果 |
ビフィズス菌 | 整腸作用、感染症やアレルギー対策 |