リオ五輪開幕まで1カ月 もっと知ろう ブラジルのこと
- 2016/6/30
- フロント特集
4年に一度の夏の五輪イヤー、今回の開催地は、ブラジルのリオデジャネイロ。みなさん、日本の反対側の国、ブラジルについてどれくらい知っていますか?和歌山在住のブラジル人に“お国事情”についてインタビューしました。
Q. ブラジル人はみんなサッカーが上手?
歩き始めたころから、裸足で草サッカーをして育った人がほとんど。ボール1つあればできますからね。みんな本当に上手ですよ。
Q. コーヒーは好きですか?
はい。でも、ブラジル人は苦いものが苦手な人が多く、砂糖を入れて甘くして飲むのが一般的です。
Q. サンバは踊れる?
ブラジル人の80%くらいは踊れるのではないでしょうか。僕が生まれ育ったところは「バゴージ」「フォフォー」の方が盛んですが。
Q. ブラジルの国民食は?
豆と肉を煮込んだ「フェジョアーダ」。インターネット通販などで食材を買って、今でも作って食べます。「シュラスコ」もおいしいよ!
ブラジルってこんな国
Q. 住んでいたところはどんな街?
私が住んでいた、ミナスジェライス州の州都ベロオリゾンテは、大都会。街の規模は東京より大きいかも。昔は、金やエメラルドなどが採掘され、“宝石の鉱山”として栄えた街です。
Q. ブラジルの治安は?
サンパウロ、リオデジャネイロ、ベロオリゾンテはすごく危険。リオはブラジル人の私でも行くのが怖いくらいです。仕事で大金を持ってリオに行ったとき、パンツの中に札束を入れていました。五輪観戦に行くなら、本当に気を付けて!
Q. リオ五輪に期待することは?
あまりありません。ブラジル政府はスタジアムやインフラ整備にすごく投資をしていますが、その資金を教育、医療、セキュリティーに費やしてほしいと思います。
Q. ブラジルを自慢してください。
政府の問題はいろいろありますが、庶民の暮らしの幸福度はどこの国よりも高いのではないでしょうか。決してお金持ちではないけれど、家族が冗談を言い合いながら仲良く暮らしています。
Q. ブラジルではどんな生活をしていたの?
私はアマゾン川に浮かぶ島、アマゾナス州パリンチンスに住んでいました。「ボイ・ブンバ」のお祭りで有名な都市。両親と兄弟7人で3部屋の家で暮らし、ベッドはハンモック。小さいころはアマゾン川で遊んでいました。サンパウロやリオは遠く、行ったことはありません。
Q. ブラジル人はみんな明るく陽気?
そうですね。人が多くて街のあちこちで音楽が流れていて、にぎやかで…。日本人とは気質が少し違うかな。ブラジルでは、お尻と胸が大きい女性がモテます(笑)。男性はやさしい人かな~。
Q. サッカー以外のメジャースポーツは?
バレーボールとハンドボール。学校対抗の試合もあって、男の人も女の人も一緒に楽しんでいます。私はもっぱら観戦専門ですが…。ビーチサッカー、ビーチバレーも人気ですね。
Q. ブラジルの1カ月のお給料はどれくらい?
都市や職種によって違いますが、800レアル(約2万4000円)くらいが平均かな。私の夫は出稼ぎで日本へ。日本の方がお給料はいいです。
知っておきたい「ブラジル移民の歴史」
和歌山県民が移住して今年で100年
和歌山県は、全国で6番目に多くの移住者を海外へ送り出した“移民県”。「和歌山からブラジルへの移住は、大正5(1916)年が始まり。リオ五輪開催の今年、ちょうど100周年を迎えます」と話すのは、和歌山県中南米交流協会の迫間脩代表。
「当時、ブラジルには金のなる木(コーヒーの木)があるといわれ、特に紀南地方の人が富を求めて旅立ちました。数年出稼ぎのつもりで海を渡りましたが、行った先は密林地帯。道路整備から始めたそうで、住むところもままならず、お金がたまるどころか貯蓄を切り崩し、永住せざるを得なかった」。これまで数々の移住者とコンタクトをとってきた迫間代表は、移住のきっかけ、いきさつをこう説明します。
その後、第2次世界大戦で日本とブラジルの国交は途絶えましたが、昭和28(1953)年に移住が再開。「これに貢献したのが日高郡岩代村(現みなべ町)出身の松原安太郎さんです。ブラジルで農場経営に成功し、ヴァルガス大統領と親交があった松原さんは、特別に移民枠を作ってもらい、その後約1300家族が移住。『入植地』となった南マットグロッソ州ドラードス市には今も多くの和歌山県出身者が住んでいます」と言います。
「ブラジルに住む和歌山県出身者は私たち以上にふるさとのことを思っています。60年以上の歴史がある『在伯和歌山県人会』と連携をとりながら、これからも交流を深めていきたいです」
リオ五輪出場決定! 和歌山にゆかりのある選手
リオ五輪開催期間8月5日(金)~21日(日)
セーリングは、1896年のアテネ五輪から採用されている競技ですが(アテネ大会は天候不順で競技中止)、49erFX級は、リオ五輪から種目に追加。セール(帆)に受ける風の力で動く小型の船で、水上を滑走する速さ・技術を競います。海面に設置したブイ(浮標)を、決められた順序に決められた回数を回り、ゴールした着順で順位が決まります。
男子はゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目。各種目別の競技に加え、6種目の合計点で競う個人総合、チームで競い合う団体総合があります。日本男子が目指しているのは、団体総合での金メダル。3大会ぶりの金メダル獲得となるか…。ちなみに、田中3きょうだいの末っ子、佑典選手の得意種目は鉄棒、平行棒。“美しい姿勢”に注目!!
日本ではマイナーですが、欧州では人気があり、王族・貴族のスポーツとも呼ばれている近代五種競技。馬術、水泳、フェンシング、コンバインド(射撃、ランニング)の5競技をこなし、順位を決めます。五輪では男女とも、個人戦のみ。「動と静」の運動能力に高いレベルが求められ、一つ一つの種目で順位が入れ替わるので目が離せません。