アユを求めて清流へ
- 2016/5/12
- フロント特集
日々の暮らしをもっと豊かに、もっとステキに…。第2週発行号は「リビング和歌山プラス」として、〝GoodLife(上質な暮らし)〞を提案。「趣味」「食」「健康」をテーマに、心に潤いと輝きを与える情報をお届けします。まずは「趣味」から。ちょっぴり大人の遊び、川瀬でアユを釣ってみませんか。
日本一早いアユの友釣り解禁
清らかな有田川で体験も
和歌山県の中北部を流れる有田川。高野山に源を発して紀伊水道に注ぐ、美しく自然豊かな川は、天然遡上(そじょう)のアユが多く、日本で一番早くアユの友釣りが解禁される河川の一つとして知られています。
解禁日は5月1日。川沿いを通る国道480号を車で走ると、瀬で竿(さお)を傾ける太公望(釣り人)の姿があちらこちらに。
河川の漁場環境保全に取り組む「和歌山県内水面漁業協同組合連合会」(紀の川市桃山町)の小峠利勝さんによると、「有田川は交通の便もよく、県内有数のアユ釣りのメッカ。二川ダムより上流は、放流アユが多いので5〜7月、下流は天然遡上が中心なので8〜9月が最盛期」とのこと。
有田川上流域の山あいの集落、有田川町清水でアユ釣りにチャレンジ。下記に体験情報も。
有田川町清水をゆるり旅
体験 他の釣りでは味わえない 友釣りの醍醐味(だいごみ)
「アユ釣りは〝友釣り〞と言って、生きたアユ(オトリアユ)を泳がせ、良質なコケが生えている縄張りを攻撃して〝野アユ〞を掛けていきます。釣った野アユを次のオトリとして使うのが基本スタイルで、何も難しいことはありません」。小峠さんはこう説明します。
とはいえ、初心者にはなかなかハードルが高そう。「磯釣りや川釣りなど何らかの釣り経験者なら、少し練習すれば釣れるようになりますが…。やはり最初は、指導してもらえる人と一緒に行くことをおすすめします」と小峠さん。
アユを釣るのにまず、絶対にしなければいけないのが、遊漁券(有田川は1日券3240円、早期友釣り年券1万4040円)の購入。これは、釣り場近くでオトリアユを販売している「オトリ店」などで入手できます。
道具は、県内の協力オトリ店(http://naisuimen.com/local/otori.html)で無料レンタルが可能。事前に申し込むと、「アユ竿」「引き舟」「玉網」「アユベルト」の〝釣具4点セット〞を貸してくれます(数に限りあり)。ただし、仕掛けや針は持参。ベストやウエットシューズなどの服装も自前で用意する必要があります。
「アユ釣りは、エサやルアーを食わせる釣りとはまた違った醍醐味があり、豪快なアタリと強烈な引きがたまりません。そのゲーム性の高さにとりこになる人も多いのですが、近年は釣り人が減少。もっと若い人たちに興味を持ってもらいたい」と小峠さんは訴えます。そうした中、県内水面漁業協同組合連合会では、今年初めて「わかやま友釣り塾」を開講(左記参照)。また、30歳以下なら友釣り遊漁料が無料になるキャンペーン「AYU友U 30 」も実施しています。同連合会のホームページをチェックして。
わかやま友釣り塾受講生募集
開催日 | 5月15日、22日、29日および9月の日曜1回 |
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参加費 | 無料 |
内容 | 机上・河川講習、卒業検定 |
場所 | 有田川、日高川など |
定員 | 20人程度(先着順、残りわずか) |
参加資格 | 18歳以上で、原則4日間受講できる人。服装は個人で準備、車で現地まで移動することが条件 |
申し込み方法 | ホームページ(http://naisuimen.com/)から申込書をダウンロードして、必要事項を記入の上、5月14日(土)までに☎0736(66)0477で |
問い合わせ | 0736(66)0477 和歌山県内水面漁業協同組合連合会 |
グルメ ピリピリ山椒(サンショウ)、ツーン山葵(ワサビ) 脇役ではなく主役
〝腹が減っては戦ができぬ〞。釣ったアユを河原で塩焼きにして味わうのは理想ですが、必ずしも釣れるとは限りません。緑の山々と清流に育まれた清水は、ぶどう山椒(さんしょう)日本一の生産量を誇る町。せっかくなので山椒グルメを堪能してみては。
山椒の栽培、加工、販売を手掛ける「かんじゃ山椒園」が運営する「田舎cafeかんじゃ」では、他では味わえない、オリジナルの山椒料理、山椒スイーツが食べられます。唐辛子に加え、新鮮な青実山椒がアクセントの「ぺペロンチーノ」(サラダ・デザート付きで1000円)、スパイス独自配合の「スープカレー」(同)、自家製山椒ジャムが絶妙「レアチーズケーキ」(400円)などなど。脇役でありながら主役並みの存在感を発揮する山椒にピリリと刺激を受けること間違いなし。料理やデザートに使っている山椒加工品も販売しています。
一方、〝遠い山奥でしか買えない予約殺到グルメ〞として話題を集めている「赤玉食堂」の「わさび寿司(ずし)」(3貫480円)も、清水の名物。ツーンとくるワサビの葉と、アユの甘露煮、しめサバとの組み合わせが絶品。テークアウト(6貫960円)できるので、釣りのお供にいかが。
また、釣りには関心がないけれど、初夏の味覚のアユをどうしても食べたいというあなた、「赤玉食堂」では、天然アユもいただけます。
観光 心洗われる大自然 疲れを癒やす温泉
のどかな田園風景広がる清水のシンボルといえば、日本の棚田百選にも選ばれている「あらぎ島」。江戸時代に開拓された大小54枚の水田は、今も付近の農家が耕作していて、四季折々の表情を見せます。
収穫されたお米は3合袋入りで道の駅などで限定販売(500円)。売上金の一部は美しい棚田を未来に残すための保全活動に活用されているそうです。
二川ダム湖上に架かる赤い吊り橋「蔵王橋」も、絶景スポット。橋を渡るとダム左岸が遊歩道(約2.9キロ)として整備されているので、鳥のさえずりに耳を傾けながら、森林浴も楽しんで。
存分に清水を満喫した後は、日帰り温泉施設「しみず温泉健康館」で心身を癒やしては。まきづくりの八角形の湯船から有田川を眼下に眺め、少しぬめりのあるお湯が肌に染み渡ります。これからの季節はホタルの乱舞や満天の星空も…。
4,5 田舎cafeかんじゃ
住所 | 有田郡有田川町宮川129 |
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電話 | 0737(25)1315 |
営業時間 | 午前11時~OS午後6時 |
定休日 | 土・日曜、祝日のみ営業 |
駐車場 | あり |
7 赤玉食堂
住所 | 有田郡有田川町清水337-7 |
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電話 | 0737(25)0371 |
営業時間 | 月~金曜午前11時~午後2時、午後5時~9時、土・日曜、祝日は午前11時~午後9時(午後2時~5時の営業は要確認) |
定休日 | 水曜(祝日の場合営業、翌日休み) |
駐車場 | あり |
10 しみず温泉健康館
住所 | 有田郡有田川町清水1225-1 |
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電話 | 0737(25)1126 |
営業時間 | 午前11時~午後8時 |
定休日 | 木曜 |
料金 | 大人600円、子ども(4歳~小学生)300円 |
駐車場 | あり |